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7月, 2025の投稿を表示しています

「夕方になると足がむくむ…」それ、慢性静脈不全かもしれません

夕方になると足がパンパンにむくむ、靴がきつくなる、だるくて座っていたくなる…。そんな症状を経験したことはありませんか? それ、もしかしたら 下肢の慢性静脈不全 (かしのまんせいじょうみゃくふぜん)という状態かもしれません。 ■ 慢性静脈不全とは? 足の静脈には、心臓に血液を戻すための「逆流防止弁」が備わっています。この弁がうまく働かなくなると、重力の影響で血液が足にたまりやすくなります。 その結果、足がむくんだり、だるさを感じたり、ひどい場合には**皮膚の色が変わったり、潰瘍(かいよう)**ができたりすることもあります。 このような状態を「 慢性静脈不全(CVI) 」と呼びます。 ■ よくある症状 夕方になると足がむくむ 足がだるい、重い感じがする 足首の皮膚が茶色っぽく変色する 静脈瘤(血管が浮き出る)が見られる 足のかゆみ、皮膚の硬化、傷の治りが悪い これらの症状が毎日のように繰り返されるようであれば、医療機関での評価が必要です。 ■ 原因は? 加齢 長時間の立ち仕事や座りっぱなしの生活 妊娠や出産 遺伝的な体質 運動不足 が関係すると言われています。 特にデスクワークや立ち仕事が多い方、高齢者、女性に多く見られます。 ■ 対処法・治療法 弾性ストッキングの着用  血流を助け、むくみを軽減する効果があります。 足を高くして休む  座るときは足台を使う、就寝中はクッションを使って足を心臓より高く保つと効果的です。 歩行・ふくらはぎ運動  ふくらはぎは「第2の心臓」と呼ばれ、血液を押し上げるポンプの役割をします。こまめに動かす習慣をつけましょう。 医療機関での診察と治療  血管の状態を確認するために超音波検査を行い、必要であれば薬物療法や血管内治療(カテーテル治療)が検討されます。 ■ むくみ=腎臓や心臓ではない? むくみというと「腎臓が悪いのでは?」「心臓が弱っているのでは?」と心配される方もいますが、 多くの場合は足の静脈のトラブルが原因 です。もちろん、他の病気が隠れている場合もあるため、むくみが長引く・片足だけが異常にむくむ・痛みを伴う場合は早めの受診をおすすめします。 ■ 最後に 足のむくみは「年のせい」「仕方ない」と思われがちですが、...

「その痛み、どこから来ているの?──からだの構造と痛みの関係をわかりやすく解説」

私たちが日々感じる「痛み」。 頭痛、腰痛、関節の痛み、内臓の違和感――その原因はさまざまですが、「どこが痛いのか」を理解するには、実は**からだのつくり(解剖学)**を知ることが重要です。 今回は、「痛みの出どころ」を解剖学的に紐解きながら、病院でどのように診断が進められるのかをご紹介します。 ■ そもそも「痛み」はどこで感じるの? 痛みは、皮膚や筋肉、内臓などにある「 痛みセンサー(侵害受容器) 」が刺激されることで感じます。 その情報は、神経を通って脊髄に伝わり、最終的には**脳(大脳皮質)**で「痛い!」と認識されます。 ■ 解剖学的に分類すると、痛みの原因はこんなにある! 1. 体性痛(たいせいつう) :皮膚や筋肉、関節の痛み 例)打撲、ねんざ、筋肉痛、関節炎 比較的「はっきりと場所がわかる」痛みで、動かすと悪化するのが特徴です。 2. 内臓痛(ないぞうつう) :内臓の中からの痛み 例)胃痛、腸のけいれん、尿路結石 位置があいまいで、「お腹の奥のほうが痛い」「張ってつらい」と表現されやすいです。 3. 放散痛(ほうさんつう) :別の場所に痛みを感じる現象 例)心筋梗塞で左肩やあごが痛くなる 本来の発生源とは違う場所に痛みを感じるため、誤解されやすいです。 ■ 痛みの“コントロールセンター”は脳にある? 痛みは「感じる」だけではなく、 脳の働き で「増幅されたり、和らげられたり」します。これが「 中枢性感作(ちゅうすうせいかんさ) 」と呼ばれる仕組みです。 たとえば: 慢性の腰痛 や 線維筋痛症 では、体のどこにも大きな異常がないのに痛みが続くことがあります。 これは、 痛みの信号が脳内で“過敏化”してしまっている ことが原因で、「痛みそのものが病気」になっている状態とも言えます。 ■ 医療機関での診断の流れ 問診と視診・触診 いつから、どこが、どんなふうに痛むかを丁寧に聞き、実際に身体を見たり触れたりします。 画像検査 必要に応じてレントゲン、超音波(エコー)、CT、MRIなどを行います。筋肉、骨、内臓の異常を詳しくチェックできます。 神経学的検査 しびれや感覚の異常があれば、神経の働きを調べる検査(腱反射、感覚テストなど)を行います。 ...