スキップしてメイン コンテンツに移動

院長の自己紹介:私が医師になるまで③

皆様、改めましてこんにちは。十日町ようへい内科クリニックの院長、中本洋平です。この「院長のひとりごと」では、私が医師を目指すことになったきっかけや、これまでの経験についてお話ししています。今回は、大学生活を通じて自分の目標がどのように変わっていったのか、そして初期研修医として働き始めるまでの道のりを振り返りたいと思います。どうぞ最後までお付き合いください。

              イメージはAIで作成しています

整形外科医への憧れとアスリートとしての思い

大学入学当初、私の目標は明確でした。「整形外科医になりたい」と強く思っていました。それはアスリートとして過ごしてきた自分の経験が影響していたからです。練習中に足の痛みを感じ、整形外科を受診することが何度かありましたが、検査の結果「異常なし」「問題ない」と言われるばかりで、根本的な解決には至りませんでした。「どうして治らないんだろう」「もっと親身になってくれる医師がいれば」と感じることも多く、他のアスリートも同じような悩みを抱えているのではないかと思ったのです。そうした思いが「自分が整形外科医になってアスリートを支えたい」という志につながりました。

現実とのギャップに悩む日々

しかし、大学で学びを深め、実習を通じて医療現場を経験する中で、次第にその志に揺らぎが生じてきました。実際の整形外科診療は、私が抱いていたイメージとは異なり、手術や特定の疾患に対する高度な専門医療が中心でした。アスリートの悩みに寄り添いたいという当初の目標が、現実の診療にどうつながるのか、はっきりとしたビジョンが持てなくなったのです。

精神疾患を抱える友人との出会い

そんな中で、私の考え方に大きな影響を与えた出来事が二つありました。その一つが、精神疾患を抱える友人との出会いです。それまで精神疾患について意識を向ける機会がなく、自分の身近な世界には存在しないものだと思っていました。しかし、大学でその友人と出会い、精神疾患を抱える人々の悩みの深さを知りました。その悩みは単に「薬を処方すれば解決する」というものではなく、生活全般に深く関わる複雑なものでした。その友人との交流を通じて、「医師としてどのように支えられるだろうか」という問いが私の中で芽生えました。

地域医療実習で見た現場のリアル

もう一つは、地域医療実習での経験です。この実習では、病院が少ない地域の診療所で過ごす機会がありました。その地域では大学病院のように診療科が細分化されておらず、限られた医師たちがあらゆる年齢、性別、症状の患者さんを診ていました。高度な専門医療も確かに重要ですが、大多数の患者さんはもっと身近な医療を必要としていることを実感しました。この経験は、私に「医師として何を目指すべきか」を改めて考えさせるきっかけになりました。

自分の目指す医師像への模索

精神疾患を専門的に診る精神科や、幅広い症状を診療する総合診療科、総合内科の重要性を学びながら、自分の将来の方向性について徐々に見えてきたものがありました。それは、「多くの患者さんにとっての身近な医療を提供する医師になる」ということです。

初期研修医としての第一歩

その後、無事に大学を卒業し国家試験に合格して、初期研修医として働き始めました。この時点でも、まだ「これが自分の道だ」と完全に確信できたわけではありません。しかし、実際の診療現場で経験を積み、患者さんとの関わりを深めていく中で、医師としての自分のあり方が次第に固まっていくのを感じていました。

次回は、初期研修医としての経験が、私の進路選択にどのように影響したのかを中心にお伝えしていこうと思います。引き続き、院長のひとりごとをご覧いただけると嬉しいです。

コメント

このブログの人気の投稿

院長の自己紹介:私が医師になるまで①

皆様、改めましてはじめまして! 2024年10月1日から「十日町ようへい内科クリニック」で診療をさせていただいております、院長の中本洋平です。前院長の深瀬洋子先生のご厚意により、この場を引き継ぎ、皆様が健康で豊かな生活を送るお手伝いをさせていただくことを、とても光栄に感じております。どうぞよろしくお願いいたします! この「院長のひとりごと」では、診察室ではお話ししきれない私自身のことや、健康にまつわる様々なお話を、月に一度お届けしていこうと思っています。お時間がある時に、ぜひお読みいただければ嬉しいです。 さて、第1回目の今回は「私が医師になるまで」の道のりを少しお話させていただきますね。 岩手県盛岡市での青春と、早稲田大学での挑戦 私は岩手県盛岡市で生まれました。高校生までは盛岡で過ごし、その後、東京にある早稲田大学の人間科学部スポーツ科学科に進学しました。実はこの学部のキャンパスは埼玉県所沢市にあって、周りは「となりのトトロ」の舞台にもなったと言われる緑豊かなエリア(通称「トトロの森」)です。その自然の中で、大学院までの6年間を過ごしました。 大学では、勉強だけでなく、スポーツにも全力を注いでいました。皆さん、トライアスロンというスポーツをご存知でしょうか?「鉄人レース」とも呼ばれることもある、水泳・自転車・ランニングの3種目を連続して行い順位を競う競技です。オリンピック競技としてもおなじみですね。 実は私、大学からトライアスロンを始めたのですが、なんと学生チャンピオンにまでなることができたんです!そんな経験もあり、大学院を修了するときには、この先の進路についてとても悩みました。 アスリートとしての道を選ぶ 学生チャンピオンになったこともあり、「このまま競技を続けて、日本チャンピオン、さらにはオリンピックも目指したい!」という気持ちが高まっていきました。研究者としての道も考えましたが、学業は修士課程でひと区切りとし、アスリートとしての道を進むことに決めたのです。 次回は、アスリートとしての挑戦から医師への転身についてお話しします。ぜひ楽しみにしていてください!

院長の自己紹介:私が医師になるまで②

 皆様、改めましてこんにちは。十日町ようへい内科クリニックの院長、中本洋平です。今回の「院長のひとりごと」では、私がアスリートから医師を目指すまでの道のりを、少し振り返りたいと思います。 画像はAIで作成しています 「アスリートとしての挑戦と山形とのご縁」 アスリート生活は、なかなか楽なものではありませんでした。スポーツクラブでの指導や学習塾の講師として働きながら、トライアスロンに全力で取り組む日々。経済的には決して楽ではなかったものの、「なんとしても優勝したい!」という強い気持ちで挑んでいました。 その活動の中で、山形県酒田市で開催された大会に出場し、そこで連覇を達成することができました。山形とは今思えば、この時からご縁があったのかもしれません。そして、全国大会の日本選手権でも最高2位に入賞し、オリンピック強化指定選手としての活動も経験しました。 「アスリート生活での試練と挫折」 とはいえ、順調なことばかりではありませんでした。優勝を狙った日本選手権では、コースを間違えてしまい、悔しい結果に終わってしまったことも。また、原因不明の体調不良や度重なる怪我にも悩まされるようにもなりました。また、当時の住まいは、知人のご厚意で借りた4畳の風呂なしアパート。お金もなかったため、エアコンなし、夏は蒸し暑く冬は凍えるほど寒い中で生活していました。ネズミが柱をかじり、屋根裏にはスズメバチまで住み着いていたことも。自分の今後について考え直す機会が増えていきました。 「アスリートとしての成功への情熱と、医師の道への転換」 大学院時代、私は運動生理学の研究に没頭していました。スポーツと体の関係を探究する中で、医学への興味も少しずつ芽生えてきたものの、その頃の私は何よりもトライアスリートとして結果を出したいという思いが強く、医師を目指すことまでは考えていませんでした。「アスリートとして成功したい」という情熱が、当時の私を突き動かしていたのです。 しかし、プロとして本格的に競技に取り組む中で、次第に自身の体調や健康への意識が深まり、怪我や体調不良のたびに医学の知識の大切さを痛感するようになりました。選手としての視点も持ちながら、体を守り、ベストなパフォーマンスを引き出せるサポートができたらどんなに素晴らしいだろう――「スポーツで学んだことを、医師として社会に還元したい」そう考え始...

帯状疱疹ワクチン、私は必要? ──「水ぼうそう未経験者」と「帯状疱疹経験者」の疑問に答えます

  ポイント先取り 水ぼうそうにかかった覚えがなくても、ほとんどの日本人は体内にウイルスを持っています。 水ぼうそうワクチンを受けただけの人でも、帯状疱疹は起こり得ます。 一度帯状疱疹を経験した人でも再発することがあります。 50 歳以上なら、基本的に帯状疱疹ワクチン(シングリックス)の接種が推奨されます。   1.そもそも帯状疱疹とは? 帯状疱疹(たいじょうほうしん)は、子どもの頃にかかった 水ぼうそう(水痘) のウイルスが、何十年も後になって 再活性化 することで起こる皮膚の病気です。ピリピリした痛みや赤い水ぶくれが帯状に現れ、 後遺症として長引く神経痛(帯状疱疹後神経痛:PHN)が大きな悩み になります。 2.「水ぼうそうにかかったことがない」人はワクチン不要? 2-1.実はかかった記憶がなくても感染している可能性が高い 日本では水ぼうそうの定期接種が始まる前(2014 年以前)に生まれた多くの人が 幼少期に自然感染 しています。熱も軽く終わると記憶に残らないまま抗体だけが残るケースも珍しくありません。 2-2.水痘ワクチンを受けた人もウイルスは潜伏 水痘ワクチンは「弱毒化」された 生ワクチン 。感染力を落としただけで、ウイルスは体内に潜伏し 帯状疱疹の原因になり得ます 。自然感染より頻度は低いとはいえ、年齢とともにリスクは上昇します。 3.「一度帯状疱疹にかかった」人はもう大丈夫? 再発率は5〜10% 。特に 高齢者・糖尿病・免疫低下 のある方ではもっと高まります。 一度罹った部位と反対側に出ることも珍しくありません。 米国の大規模研究では 50 歳以上の帯状疱疹既往者にシングリックスを打つと再発率が約 85%低下 しました。 ポイント :帯状疱疹後 数ヶ月から1年ほど経ち、皮膚と神経の炎症が落ち着いたら接種を検討しましょう。 4.よくある Q&A Q A ワクチンを打ったら絶対に帯状疱疹になりませんか? 100%ではありませんが、重症化や後遺症(PHN)を防ぐ効果も高いとされています。 副反応が心配です。 発熱や倦怠感は 1~3 日で治まるケースが大半です。鎮痛解熱剤で対応できます。 他のワクチンと同時接種は...