皆様、改めましてこんにちは。十日町ようへい内科クリニックの院長、中本洋平です。この「院長のひとりごと」では、私が医師を目指すことになったきっかけや、これまでの経験についてお話ししています。今回は、大学生活を通じて自分の目標がどのように変わっていったのか、そして初期研修医として働き始めるまでの道のりを振り返りたいと思います。どうぞ最後までお付き合いください。
イメージはAIで作成しています
整形外科医への憧れとアスリートとしての思い
大学入学当初、私の目標は明確でした。「整形外科医になりたい」と強く思っていました。それはアスリートとして過ごしてきた自分の経験が影響していたからです。練習中に足の痛みを感じ、整形外科を受診することが何度かありましたが、検査の結果「異常なし」「問題ない」と言われるばかりで、根本的な解決には至りませんでした。「どうして治らないんだろう」「もっと親身になってくれる医師がいれば」と感じることも多く、他のアスリートも同じような悩みを抱えているのではないかと思ったのです。そうした思いが「自分が整形外科医になってアスリートを支えたい」という志につながりました。
現実とのギャップに悩む日々
しかし、大学で学びを深め、実習を通じて医療現場を経験する中で、次第にその志に揺らぎが生じてきました。実際の整形外科診療は、私が抱いていたイメージとは異なり、手術や特定の疾患に対する高度な専門医療が中心でした。アスリートの悩みに寄り添いたいという当初の目標が、現実の診療にどうつながるのか、はっきりとしたビジョンが持てなくなったのです。
精神疾患を抱える友人との出会い
そんな中で、私の考え方に大きな影響を与えた出来事が二つありました。その一つが、精神疾患を抱える友人との出会いです。それまで精神疾患について意識を向ける機会がなく、自分の身近な世界には存在しないものだと思っていました。しかし、大学でその友人と出会い、精神疾患を抱える人々の悩みの深さを知りました。その悩みは単に「薬を処方すれば解決する」というものではなく、生活全般に深く関わる複雑なものでした。その友人との交流を通じて、「医師としてどのように支えられるだろうか」という問いが私の中で芽生えました。
地域医療実習で見た現場のリアル
もう一つは、地域医療実習での経験です。この実習では、病院が少ない地域の診療所で過ごす機会がありました。その地域では大学病院のように診療科が細分化されておらず、限られた医師たちがあらゆる年齢、性別、症状の患者さんを診ていました。高度な専門医療も確かに重要ですが、大多数の患者さんはもっと身近な医療を必要としていることを実感しました。この経験は、私に「医師として何を目指すべきか」を改めて考えさせるきっかけになりました。
自分の目指す医師像への模索
精神疾患を専門的に診る精神科や、幅広い症状を診療する総合診療科、総合内科の重要性を学びながら、自分の将来の方向性について徐々に見えてきたものがありました。それは、「多くの患者さんにとっての身近な医療を提供する医師になる」ということです。
初期研修医としての第一歩
その後、無事に大学を卒業し国家試験に合格して、初期研修医として働き始めました。この時点でも、まだ「これが自分の道だ」と完全に確信できたわけではありません。しかし、実際の診療現場で経験を積み、患者さんとの関わりを深めていく中で、医師としての自分のあり方が次第に固まっていくのを感じていました。
次回は、初期研修医としての経験が、私の進路選択にどのように影響したのかを中心にお伝えしていこうと思います。引き続き、院長のひとりごとをご覧いただけると嬉しいです。
コメント
コメントを投稿