「体が柔らかい」「皮膚が伸びる」「傷が治りにくい気がする」 そんな風に思ったことはありませんか? 実は、これらの症状が遺伝性の病気「エーラス・ダンロス症候群(EDS)」に関連している可能性があります。
エーラス・ダンロス症候群は、コラーゲンの異常によって皮膚、関節、血管など全身の結合組織に問題を引き起こす疾患です。日本では稀な疾患とされていますが、診断されずに見過ごされることも多い病気です。
エーラス・ダンロス症候群が引き起こす体調不良
EDSは以下のような症状を伴うことが知られています。これらの症状は、単なる「体質」や「ストレス」だと思い込まれがちですが、放置せずに専門的な診断が必要です。
1. 慢性的な痛み
- 関節が柔らかすぎるために脱臼や捻挫を繰り返し、関節痛や筋肉痛が慢性化します。これにより、日常生活や仕事に支障をきたすこともあります。
2. 消化器の不調(腹痛、下痢、便秘など)
- 結合組織の異常が腸の働きに影響を与え、過敏性腸症候群(IBS)のような症状が現れることがあります。腹痛や膨満感が続く場合、EDSが関係している可能性があります。
3. 立ちくらみや失神(起立性調整障害)
- 血管の弾性が低下し、血圧や心拍数の調整がうまくいかなくなることがあります。立ち上がるとめまいや動悸が起きる、集中力が低下する、といった症状は特に若年層に多く見られます。
「個性」ではなく「サイン」かもしれません
関節や皮膚が柔らかいことは、個性として捉えられがちです。しかし、それが慢性的な痛みや不調と結びついている場合、エーラス・ダンロス症候群の特徴である可能性があります。この疾患は、外見的特徴だけでは見逃されやすいため、他の症状と合わせて注意することが大切です。
適切なサポートで生活の質を向上させる
EDSには根本的な治療法はありませんが、早期診断によって症状を管理し、生活の質を向上させることが可能です。
- 関節の安定性を保つためのリハビリ。
- 慢性的な痛みや消化器症状を薬物でコントロール。
- 生活習慣の改善(塩分摂取や水分補給の工夫など)。
「もしかして?」と思ったらご相談を
体の柔らかさや傷の治りにくさ、さらに慢性的な体調不良を抱えている場合、エーラス・ダンロス症候群の可能性があります。気になる症状がある方は、ぜひ当クリニックにご相談ください。早期診断と適切なサポートで、より安心して日常生活を送ることができます。
十日町ようへい内科クリニックでは、患者さま一人ひとりに寄り添った診療を心がけています。お気軽にご来院ください!
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