「風邪っぽいから抗生剤もらおうかな…」その判断、ちょっと待ってください!間違った使い方が将来の健康に影響するかもしれません。
「熱があるから抗生剤をください」「風邪なので抗生剤を飲みたいです」——日々の診療でも、こうしたご相談をよくいただきます。
しかし、抗生剤(抗生物質)は、「いつでも使えばよい薬」ではありません。むしろ、必要のないときに使うことで、副作用や薬が効かなくなる(薬剤耐性)という問題が起こります。
抗生剤が「効く」病気と「効かない」病気
抗生剤は、細菌によって起こる感染症に対して効果があります。一方で、ウイルスが原因の病気には効果がありません。
つまり、一般的な風邪(ウイルス性)には抗生剤は不要です。むしろ、風邪に抗生剤を使うと、副作用や耐性菌のリスクが増えるだけで、治りが早くなるわけではありません。
抗生剤が「必要な場合」のサイン
抗生剤が必要かどうかは、診察・検査で医師が判断しますが、患者さんご自身でも参考にできる目安があります。
-
発熱が長引く(3日以上)
-
黄色や緑の痰が続く
-
のどの痛みが強く、膿が見える
-
尿のにごりや痛みがある
-
耳の痛み、膿のような耳だれ
これらは細菌感染の可能性がある症状であり、必要に応じて抗生剤を使う場合があります。
飲み方にも注意!
抗生剤を出された場合は、以下の点にも注意しましょう。
-
医師の指示通りに飲み切る(途中でやめない)
-
飲み忘れた場合の対応を確認しておく
-
他の人の薬を飲まない、余った薬を再利用しない
中途半端に抗生剤を使うと、**「菌が中途半端に残る」→「薬が効かない菌が増える」**という、薬剤耐性の原因になります。
まとめ
抗生剤は、「使うべきときに、正しく使う」ことがとても大切です。
不安な症状があるときには、自己判断せず、お早めに医療機関を受診してください。
コメント
コメントを投稿