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高度肥満の方におすすめする「たったひとつの運動」とは?

「何から始めればいいのか分からない」「動くとすぐ疲れる」「膝や腰が痛いから運動は無理かも」——これは、当院を受診される高度肥満(BMI35以上)の方からよく聞くお悩みです。 そんな方に、私たちが最初におすすめしている運動。それは—— ✅ 『椅子スクワット』です。 一見すると「そんなに軽い運動でいいの?」と思われるかもしれません。しかし、実はこの動作、高度肥満の方にとっては非常に効果的かつ負荷の高い全身運動なのです。   ■ 椅子スクワットが優れている理由 1. 安全性が高い: 椅子があることで転倒のリスクが少なく、安心して取り組めます。 2. 負荷が自然に高い: 自分の体重がそのままトレーニング負荷になるため、バーベルなどの道具がなくても十分に筋肉を刺激できます。 3. 太もも・お尻・体幹を一気に鍛えられる: 基礎代謝を支える大筋群に効率よくアプローチできます。 4. 生活動作そのものがトレーニングになる: 「立つ・座る」という動きは、日常生活の基本。筋力がつけば移動や家事がグッと楽になります。   ■ はじめかた(最初の1週間はこれだけでOK) • 背もたれのある椅子に浅く腰掛ける • 両手は太ももか前に伸ばす • 息を吐きながら、ゆっくり立ち上がる(完全に立たなくてもOK) • 息を吸いながら、ゆっくり座る • これを 1日5回からスタート → 「ちょっとキツいけどできる」を毎日続けるのがコツです。   ■ 続けるとどうなる? • 2週間後:「立ち上がるのが少し楽になった」 • 1ヶ月後:「買い物や家の移動がスムーズに」 • 3ヶ月後:「体重が減った」「息切れが減った」「やる気が出てきた」 実際、当院の肥満外来ではこの“たったひとつの運動”から生活が変わり始めた方がたくさんいらっしゃいます。   ■ まとめ 「どんな運動よりも、自分の体で“今できること”を続けることが、いちばん効きます。」 椅子スクワットは、あなたの体を変える最初の一歩です。 ご自身のペースで、無理なく、でも毎日少しだけ挑戦してみてください。ご不安があれば当院スタッフまでお気軽にご相談ください。 当院では、椅子スクワットから始めるオリジナル運動メニューもお渡ししています。
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減量のための次の一手〜主食の量を半分にする〜

朝イチに体重計へ乗り、その数字をスマホにメモする——このシンプルな行動を続けられるようになったあなたは、すでに減量成功への土台を築きました。次の一手として当院が勧めているのが “主食(炭水化物)の量を毎食きっちり半分にする” 方法です。 1 なぜ主食を半分に? 白ごはん茶碗1杯(150 g)は約250 kcal。これを半分(75 g)にするだけで125 kcalカットできます。1日3食なら375 kcal、1週間で2,600 kcal=脂肪約0.3 kgに相当します。‐10 kgを目標にしても、理論上8か月で達成できる計算です。 2 “抜く”のではなく“減らす”理由 炭水化物は脳と筋肉の主要エネルギー源。不足すると集中力低下や代謝ダウンを招き、リバウンドしやすくなります。 ゼロにする極端な方法は長続きしません。 半分だけ残しておくことでエネルギーバランスを保ちつつ、総摂取カロリーを確実に下げられます。 3 満腹感キープのコツ 皿が寂しくならないよう、空いたスペースに 具だくさん味噌汁 ゆで卵・納豆・豆腐など良質タンパク サラダや温野菜 を追加しましょう。よく噛む食材を増やすと咀嚼回数が上がり、自然と満腹中枢が刺激されます。 4 記録×主食半分=黄金ループ 体重グラフが右下がりになると達成感が生まれ、行動が強化されます。週平均で横ばいになったら、主食をさらに10 gずつ微調整。 “測る→減らす→減る→続けたくなる” という好循環が出来上がります。 5 よくある失敗と対策 6 当院の肥満外来でできること 記録した食事内容を解析し、フィードバック 体組成計で筋肉量と脂肪量をチェック 肥満の原因になっている疾患の検索や、併存疾患の治療 LINEから初回カウンセリングを受付中 。記事末のQRコードを読み取り、「肥満外来希望」とメッセージをお送りください。簡単な問診の後、初回のアドバイスを行います。 生活習慣の“あと一歩”を、私たちと一緒に形にしましょう。 LINEの登録はこちらから:

いま百日咳が増えている理由──日本と米国で違うワクチンスケジュール

0. はじめに 「百日咳の問い合わせが毎日のように来るのはなぜ?」――2025 年春から当院でも同じ質問が急増しています。実際、日本では 2025 年 3 月末までに 4,000 例以上 が報告されています。いま、百日咳は“昔の病気”ではありません。 本記事では、 日本と米国のワクチン接種スケジュールの違い に加え、 DTaP と Tdap という 2 種類のワクチンの特徴 を整理し、いま私たちが取るべき対策を提案します。 1. 百日咳の最新流行状況 日本: 新生児死亡例も報告され、2019 年以来最多の流行。 米国: 2024〜25 年にかけて再流行が拡大。パンデミック中のマスク生活で集団免疫が低下したことが一因と考えられます。 2. 接種スケジュールを比べてみる 日本は 7 歳半以降の百日咳定期接種が存在しない 。  米国では 思春期+妊婦ブースターが標準 。 成人への定期接種も行われており、家庭内感染予防に貢献。 3. DTaP と Tdap──何がどう違う? 4. 免疫はいつ切れる? DTaP 4 回完了後 の百日咳抗体は 5〜10 年で大きく低下 。 思春期までブースターを受けない日本では、小学生以上が感染源となり、新生児にうつるリスクが高まります。 5. 日本の最新動向 5 種混合ワクチン(2024 年 4 月〜) :百日咳ワクチンは5種混合ワクチンとして、乳児スケジュールを集約。 成人での定期接種はない :妊婦・医療従事者・保育士などリスクが高い人に学会推奨。 学童期ブースター導入の検討 6. いま取るべき 3 つの対策 妊娠 27〜36 週の接種を周知 (母子免疫で新生児を守る)。 学童期〜成人への任意ブースター提案 :家族に新生児がいる場合は特に重要。 咳が続く大人は百日咳を疑い検査 7. よくある質問 Q&A Q. DTaP と Tdap、どちらを妊婦に打つ? A.  高用量 DTaP は副反応が強く成人には適さず、世界的にはTdapが推奨。 Q. 小学生への追加接種は? A. 現状任意だが、米国では 11〜14 歳で接種している。流行地なら前向きに。 Q. 成人が 10 年毎に Tdap を打つ意味は? A. 破傷風ブースターのついでに百日咳もカバーできる。家庭に乳児がいる場合は特に有用。 8. まとめ 日本...

院長の活動量:2月、3月

  院長の2月と3月の活動量をご紹介! このコーナーでは、私の毎月の活動量を皆さんにお届けしています。今回は2月と3月の活動量です。iPhoneの健康アプリで記録したもので、少しでも皆さんの運動へのモチベーションになれば嬉しいです! 今回は1日の歩数や移動距離に注目してみました。これらの数値は、日々の活動量を反映しており、特に生活習慣病(糖尿病・高血圧・脂質異常症など)の予防や改善に良い影響を与えます。 📅 2月のデータ ✅ 1日平均歩数:17,098歩(1月 13,538歩) ✅ 1日平均移動距離:17.2km(1月 13.3km) ✅ 1日最大歩数:34,406歩(1月 26,807歩) ✅ 1日最大移動距離:32.7km(1月 27.0km) 📅 3月のデータ ✅ 1日平均歩数:16,395歩(2月 17,098歩) ✅ 1日平均移動距離:17.3km(2月 17.2km) ✅ 1日最大歩数:49,413歩(2月 34,406歩) ✅ 1日最大移動距離:55.7km(2月 32.7km) 皆さんはいかがだったでしょうか?わたしは、3月にフルマラソンに出場する予定だったこともあり、2月と3月は活動量が増えた期間となりました。これから暖かくなってきて外での運動が楽しい季節になってきますね。私自身も患者さんと同じように、運動の大切さを日々実感しながら取り組んでいます。皆さんも、無理のない自分のペースで楽しみながら体を動かしていきましょう!健康的な日々を一緒に目指しましょう。

薬局で購入できる症状緩和のためのお薬:頭痛、腹痛、下痢、関節痛

🏥薬局で購入できる症状緩和のためのお薬について ~受診が難しいときのセルフケアの参考に~ 休日や休診日に急な体調不良に見舞われたとき、「病院に行くほどではないけどつらい」「薬局で何を買えばいいかわからない」とお困りになったことはありませんか? 今回は、そんなときに薬局で購入できる 症状を一時的に和らげるお薬 について、もし院長が購入するとしたら、として、症状別にご紹介します。 ※あくまで「応急的な対応」ですので、症状が続く場合や強い症状がある場合は必ず医療機関を受診してください。 【1. 頭痛】 🔸 成分例 :アセトアミノフェン、ロキソプロフェン 🔹 市販薬例 :タイレノール、ロキソニンS など 💡 ポイント :いずれも痛みを抑える胃が弱い方や高齢の方にはアセトアミノフェンが比較的安全です。 風邪を伴う頭痛にも適しています。まずアセトアミノフェンを使用するとよいと思います。ロキソプロフェンのほうが効果が強いことが多いです。参考までに、クリニックで処方する場合アセトアミノフェンは1回500mg、ロキソプロフェンは1回60mgを処方しています。 【2. 腹痛】 🔸 成分例 :ブチルスコポラミン、ファモチジン 🔸 市販薬例 :ブスコパンA、ガスター10など 💡 ポイント :ブチルスコポラミンは腸の動き(蠕動運動)を抑えることで腸の痛みを緩和するお薬です。強くなったり弱くなったりする波のあるお腹の痛みのときに使用します。ファモチジンは胃酸の分泌を抑えることで胃や十二指腸の炎症に関連する痛みを緩和するお薬です。胃の周辺に痛みがあり、特に食事と関連して強くなる場合に使用します。院長ならこれらの症状に応じてお薬を選択して使用します。クリニックで処方する場合ブチルスコポラミンは10mg、ファモチジンは1回20mg1日2回を処方しています。 【3. 下痢】 🔸 成分例 :ロペラミド、プロバイオティクス製剤 🔸 市販薬例 :ストッパ、ビオフェルミンなど 💡 ポイント :ロペラミドは腸の動きを抑えたり、腸から出る水分(腸液といって下痢のもとになる成分です)の分泌を抑えることで下痢を和らげるお薬です。プロバイオティクス製剤とは、乳酸菌やビフィズス菌など善玉菌と呼ばれる腸の調子を整える作用...

院長の自己紹介:私が医師になるまで④

  総合内科医としての道とクリニック開業まで 皆さん、こんにちは!「院長のひとりごと」を読んでいただき、ありがとうございます。 前回は、私が医学部に入学し、総合内科医を目指すようになった経緯についてお話しました。今回は、 初期研修医としての経験、そしてなぜクリニックを開業することになったのか についてお話したいと思います。 イメージはAIで作成しています 初期研修医としての試行錯誤 医学部を卒業し、国家試験に合格した私は、初期研修医としての生活をスタートさせました。研修期間は、様々な診療科をローテーションしながら、実際の医療現場で経験を積む重要な時間です。 最初は何もかもが手探りで、指導医の先生方や先輩方に助けられながら、診療の流れを学んでいきました。患者さんの話をじっくり聞き、適切な診断や治療を考えることの難しさを痛感する毎日。しかし、実際の医療の現場に立つことで、自分の中に一つの確信が生まれました。 「どんな病気でも、まずは患者さんの全体像を捉えることが大切だ」 大学病院では、それぞれの診療科が専門分野に特化しており、例えば心臓の病気なら循環器内科、糖尿病なら内分泌科、関節痛なら整形外科…といったように細かく分かれています。しかし、患者さんが最初に相談するのは「どこが悪いのかわからない状態」のときがほとんどです。 そんな時に、患者さんの話をよく聞き、全身を診察し、適切な検査を考え、必要に応じて専門医へ紹介する… この「総合的な診療」の役割こそが、私の目指す医師像なのではないか と思うようになりました。 総合内科の道へ進む決意 初期研修を終えた後、私は総合内科医としてさらに専門的な研修を積むことに決めました。 総合内科医は、一つの専門分野に特化するのではなく、幅広い疾患を診る医師です。特に、 発熱、倦怠感、体重減少、原因不明の痛みなど、一つの診療科では説明がつかない症状 を抱える患者さんを診ることが多いのが特徴です。 日々の診療の中で、患者さんの生活背景や家族環境も考慮しながら治療を組み立てることの重要性を学びました。病気を診るだけでなく、 「人を診る」医療 を実践することができるのが、総合内科医の魅力だと感じています。 開業の決意と地域医療への思い 病院での勤務を続ける中で、私は次第に「地域の医療に貢献したい」という思い...

院長の活動量:2025年1月

   院長の1月の活動量をご紹介! このコーナーでは、私の毎月の活動量を皆さんにお届けしています。今回は12月の活動量です。iPhoneの健康アプリで記録したもので、少しでも皆さんの運動へのモチベーションになれば嬉しいです! 「1日平均活動量」について簡単に説明しますね。 1日平均活動量・活動時間 :iPhoneやApple Watchが計測した1日の活動量と活動時間の平均です。このエネルギー量は日々の動きから算出されています。この数値には安静にしている時のエネルギー量(基礎代謝量)は含まれていません。 1月の結果は... 1日平均活動量:804kcal(12月:1047kcal) 1日平均活動時間:74分(12月:88分) 皆さんはいかがでしたでしょうか? 私は、3月のフルマラソン出場に向けて、12月に引き続き1月も運動時間を増やそうと考えていましたが、年始に体調を崩してしまい、結果として12月よりも平均活動量や活動時間が少なくなってしまいました。 雪や寒さが続く中ですが、2月は工夫しながら活動量を増やせるようにしていきたいと思います。私自身、患者さんと同じように 運動の大切さを日々実感しながら 取り組んでいます。 皆さんも、無理のないペースで楽しみながら体を動かしてみてください!一緒に健康的な日々を目指しましょう。